BEST 2025
昨年に続き、再びこの枠にエントリーさせてもらった。
去年は、古い建物を解体し、仮設の事務所と住まいが入り混じる混沌の中で
BEST2024のレコードを選んでいたことをよく覚えている。
レコードのある引っ越しは、人生でいったい何度目だろう?
体力は確かに衰えていくのに、レコードは確実に増えていく。
当然、今回の引っ越しが一番しんどかった。
そんな一年の終わりに、今年はレコードだけではなく、
いくつかの“今年のベスト”を静かに綴ってみようと思う。
今年は例年になく“和物”をよく手に取った一年だった。
手に入れた盤の中から、特に印象が強かった何枚かを、
小さな備忘としてここに残しておく。
あなたの ベスト・オブ・2025 教えてください! #2025AC2025 / 2025 Advent Calendar 2025 - Adventar https://t.co/flGiRxZZPF pic.twitter.com/k7gwcljT8i
— twwp™ (@taizooo) November 10, 2025
FIRST LP
音楽を「所有する」「手に入れる」という感覚が薄れた世代に、一石を投じたい。
今年に入り、中学2年の娘にアナログレコードを買っている。
RADWIMPS、マカロニえんぴつ、さとうもか(娘の好きなアーティスト)。
スマートフォンさえあれば聴ける時代に、針を落とすという一手間を娘がどう受けとめるのか、親として少し楽しみにしている。
BEST LIVE
今年は久しぶりにライブの主催もした。
YOSSY LITTLE NOISE WEAVERのニューアルバムに合わせたツアー、しかもその“うったて”となる初日。
いつも以上にプレッシャーを感じながら準備を進めていたところ、ライブ当日になって、会場(2F)の真下のアーケードで阿波踊りの練習があることが判明した。
騒音の心配が一気に現実味を帯び、関係者全員が緊張するなか、ビルのオーナーのご厚意で、上階のイベントスペースを急遽使用できることに。
結果として音響環境も整い、なんとか理想に近い形でライブを開催することができた。
阿波の踊り子
徳島を拠点とするバンド、blend house。 昨年、自主制作の7inchを先輩の店で手に取ったときから、ずっと気になっている存在。 地方都市・徳島の湿度をまといつつ、アーバンでメロウな響きがある。
そんな彼らの1st ep 12inchが発売された。
BEST RETREAT
初夏から妻の体調に異変があり、
YLNWのライブの一週間後、
月末に甲状腺全摘手術を受けた。
経過は安定し、お盆の終盤に休養を兼ねて、
妻と娘二人で京都へ向かった。
一泊ではかえって疲れと緊張が抜けない気がして、
梅小路の花伝抄に二泊三日。
特別な予定は組まず、ただ回復の速度に合わせる滞在とした。
花伝抄は旅館の趣を残しつつ、機能はホテルに近い。
全館、廊下まで畳敷きで、靴を脱いだ瞬間にふっと肩が落ちる。
大浴場に加えて貸切風呂が複数、部屋のつくりも丁寧で、真横には梅小路駅。
京都駅エリアとしては良心的な価格帯。
ここ数年の京都滞在はほとんどここでお世話になっている。
そのせいか、玄関で靴を脱ぐだけで「帰ってきた」と思える。
今回も、選んでよかった。
妻も元気になりました。
LP再発ラッシュ
今年は、ハナレグミのLPが過去作を含めて6枚も発売された。
先行して最新作のGOOD DAY、日々のあわ、音タイムの3枚を購入。
このアドベントの記事を書くために、タワレコの購入履歴を確認しようとしたところ、
後発の3枚が出ていたことに気づき、思わず頭を抱えた。(購入済み)
LP 5,000円、12inch 3,000円、7inch 2,500円、
先日発売された宇多田ヒカルの12inchなどは 4,400円という時代。
娘が好きな RADWIMPS の、5ヶ月連続での過去作 LP 化も同じで、
ファンにとってはたまらない企画かもしれんが、
財布にとっても“なかなかたまらん”企画だったりする。
BEST TRIP
佐賀インターナショナルバルーンフェスティバルへ行ってきた。
昨年は台風の影響で会場が冠水し、
全日程がキャンセルとなった。
一年前から計画し、宿を押さえ、
天気の週間予報を見ながら微妙だなと思いつつ、
前日の深夜に天気予報を見つつ佐賀へ向けて出発した。
道中、予報は曇りから小雨へ、小雨から雨へと変わっていく。
夜明け前に九州へ上陸し、
佐賀県へ入る頃には本降りになっていた。
YouTubeのライブ配信では「風さえなければ開催の可能性あり」と
淡い期待を持たせてくれたものの、
午前のフライトはキャンセル。
誰もが午後のフライトも無理だろうと思っていた。
しかし、奇跡的に午後は開催。
しかも、諦めて帰った人が多かったのか、
会場は驚くほど混雑がなく、
静かにフライトを観戦できた。
今年の旅の中でも、特別な時間だった。
BEST SAKE
佐賀駅の中にある SAGA BAR で、
おつまみセットと日本酒の飲み比べを頼んだ。
さすが筑紫平野の米どころと言われるだけあって、
どれもめちゃんこ美味かった。
特に 七田 は、今年飲んだ日本酒の中でも
ピカイチの美味さだった。
DETERMINATIONS
今年は DETERMINATIONS (2004年に解散)の新譜が発売された。
TEN STEPS AHEAD / Prince Buster with DETERMINATIONS
すでに鬼籍に入られたメンバーもいて、オリジナルメンバーでの再結成はもう叶わない。
それでも、まさかの新譜というサプライズには思わず狂喜した。
ドラべの林さんがバスターとの馴れ初めについてSNSにポストしているのが面白いので読んでほしい。
なんと 7inch の BOX SET まで販売された。
しかし、躊躇している間にあっという間に SOLD OUT。
迷った理由は単純で、
2nd Single Morning Lover 以外はすべてオリジナルで手元にあるから。
とはいえ、後悔先に立たずで終わるのはまだ早い。
年始のイベントで限定販売があるらしく、
久しぶりに大阪のイベントへいくつもり。
まだ手に入れていないし、
オリジナルでコンプリート目前の身としては
手放しで喜べず、今年のベストとは言い難いが、やはりベストだと思う。
EGO WRAPPIN'
年末といえば Midnight Dejavu。
しかし今年から、大阪のユニバースでは開催されなくなってしまった。
イベント自体は別会場で続くのだけれど、
なんなんだろうか、この喪失感は?
アルバムのリリースこそなかったものの、
12inch が 2 枚、7inch が 1 枚発売された。
中でも、7inch の SUNNY SIDE STEADY。
裏面は Prince Fatty の DUB。
NEW FAMILY(SAGAWA)
ある朝、うちの庭に黒猫の赤ちゃんが突然あらわれた。
おそらく捨て猫だろう。
細い町道に面したうちの広い土地に、置いていかれたのだと思う。
家の中で飼うつもりはまったくなく、
夜はエコキュートの下で眠っていたので、
餌だけあげる“外猫”のつもりでいた。
しかし娘たちが名前をつけたり、近くに寄ってくるようになったり、
そんな中で風邪をひいて体調を崩し始めた。
病院へ連れて行き、家の中で看病し、
気づけば“外猫”からそっとフェードインして、今ここにいる。
当初は勝手に男の子だと思い込み、
次女が「ヤマト」と名付けたのだが、
すぐに女の子だとわかり、名前は「SAGAWA」に改名された。
姓はサガワ、名はミッシェル。
新しい家族が誕生した。
同時期、注文していた TRUCK FURNITURE のソファが
ようやく我が家に搬入されたばかりで、
太畝のコーデュロイの生地をカリカリされるのではと、
いまも少しだけビビっている。
2025
全盛期には程遠いけれど、今年もいろいろとレコードを買った。
DETERMINATIONS の元メンバー、イッチーさん・ヨッシーさん夫妻の
YOSSY LITTLE NOISE WEAVER のライブを主催し(SUN AND RAINぶり)、
DETERMINATIONS と Prince Buster の共演 7inch がリリースされ、
さらには 7inch Box Set まで発売された。
Ska Flames も 7inch を 5 枚リリースすると発表し、
なんだか、あの熱狂していた時代に
そっと区切りがついたような気持ちになった。
そんなタイミングで、
EGO WRAPPIN' は Prince Fatty の DUB をリリースし、
今もなお刺激をくれる存在でいてくれる。
妻の病気のこと、裏山の山林火災のこと、
車で九州へ、東京や名古屋へも旅をしたこと、
そしてサガワがやってきたこと。
いろいろあった一年だったけれど、
振り返れば小さな出来事が静かに寄り添い合い、
今年も穏やかに、良い一年として暮れてゆきそう。
明日はsho-1-roさんです。
0コメント